UNU-IAS大学院生が石川県でのスタディツアーに参加

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  • 2023年4月14日     石川県

    2023年3月13〜16日にわたって、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の大学院生たちが石川県を訪れ、持続可能な地域資源の活用に焦点を当てた地域振興の取り組みについて学びました。学生たちは、地方自治体およびコミュニティーとともにUNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)がいかにSDGsを地域に実装する(ローカライズ)するべく活動しているかを実体験を通じて学びました。

    参加者たちは、「エコツーリズム」、「イノベーション・教育・ユース」、「生物文化多様性」、をテーマとする3つのグループに分かれてフィールドワークに励みました。世界農業遺産システム(GIAHS)に認定されている能登地域では、牡蠣の養殖所、製炭工場や酒蔵などを見学し、長年の地域コミュニティーによる自然資源の持続可能な利用を通じて形作られた能登の里山里海ならではの伝統的な農法や文化について学習しました。また、少子高齢化や耕作放棄地問題など、地域が直面している課題についても学びました。さらに、地域資源を活かした観光企画の開発や伝統知識や技術を次世代に受け継ぐための取り組みについて話し合いました。

    金沢では、UNU-IAS OUIKのフアン・パストール・イヴァールス研究員の案内で兼六園、心蓮社庭園など伝統的な日本庭園を訪問し、都市自然が人々や環境にもたらす影響について学びました。パストール研究員は、持続可能な都市自然プロジェクトについて説明したのち、都市の庭園と地域の生物多様性を保全するための取り組みの重要性を強調しました。

    3月24日、これらのフィールドワークを踏まえて、学生たちはグループワークに取り組み、オンラインプレゼンテーションでアイディアの共有を行いました。「エコツーリズム」グループは環境と地域社会との関わりを考える能登半島での週末旅行パッケージを提案しました。「イノベーション・教育・ユース」グループは京丹後地域の事例を紹介し、石川県をイノベーション・ハブとして発展させる計画を提案しました。「生物文化多様性」グループは無形文化遺産の保存を促進するための戦略やイノベーション・プラットフォームの提案を行いました。

    本ツアーを共催した石川県農林水産部里山振興室世界農業遺産(GIHAS)推進グループもこの発表セッションに参加し、国際的な視点から地域課題の解決に向けて活発な意見交換を行う機会を提供しました。