専門家と考える、海洋のサステイナビリティ

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  • 2017年4月28日     東京

    基調講演するヨハン・ロックストローム博士 Photo: Curtis Christophersen/UNU

    基調講演するヨハン・ロックストローム博士 Photo: Curtis Christophersen/UNU


    UNU-IASは4月19日、国際シンポジウム「持続可能な開発目標(SDGs)への取り組み – 海洋のサステイナビリティを中心に」を開催しました。スウェーデンのヴィクトリア皇太子(SDGアドボケイト)を迎え、海洋の現状や、SDGs目標達成に向けた取り組みについて、発表や議論が行われました。

    開会に際し、あいさつしたデイビッド・マローン国連大学学長・国連事務次長は、海洋の目標をはじめとするSDGsの目標が相互に関連している点について述べるとともに、ヴィクトリア皇太子のこれまでの功績を紹介しました。

    続いて登壇したスウェーデンのヴィクトリア皇太子は、SDGs達成に向け、全力を挙げて行動する道徳的責任が全員にあり、私たちの日々の選択や消費者の力は、地球の未来に大きな影響を及ぼすと述べられました。

    基調講演では、ヨハン・ロックストローム ストックホルム・レジリエンス・センター所長が、地球のレジリエンスが急速に失われつつある中で、人と自然のつながりが薄れていると指摘しました。また、SDGsの17の目標を、「ウェディングケーキ」に例え、生物に関係する目標の上に、社会や経済に関わる目標が重なっていると説明し、ケーキの土台にあたる目標14「海の豊かさを守ろう」や目標15「陸の豊かさを守ろう」の重要性を強調しました。

    前半のパネルディスカッションでは、蟹江憲史UNU-IASシニアリサーチフェローが、国内で継続中のサステイナビリティに関わる活動をさらに推進すれば、SDGsの達成が加速すると述べました。このほか、SDGsを広く伝えるメディアの役割の重要性や、複雑な目標に対処するため、分野横断的なタスクフォースチームを作り、問題解決を考える必要性について話し合われました。

    後半のパネルディスカッションでは、特にSDGsの目標14に重点を置き、消費者だけでなく生産者である大企業が模範事例を示す必要性が指摘されました。さらに、海洋の問題とSDGsを関連づけること、海洋コミュニティーだけでは解決できない海洋酸性化などの問題について、他のセクターへの働きかけを強化すること、また、島しょ国における能力開発や、技術移転の重要性も議論されました。

    当日、会場では、GEOCがSDGsの目標14に関連したパネル展示を行いました。

    本イベントのプログラムおよび講演資料は、「関連ファイル」からダウンロードできます。

    本イベントは、スウェーデン大使館、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)との共催により、また国連広報センター(UNIC)の協力のもとで行われました。

    SDGsの動向についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのビデオ(国際社会日本)をご覧ください。

  • 当日プログラム(日本語)

    (1.1 MB PDF)

    基調講演_ヨハン・ロックストローム博士

    (11.9 MB PDF)

    パネルディスカッション1_根本かおる

    (1.7 MB PDF)

    パネルディスカッション2

    (3.0 MB PDF)