2022年国際女性の日を記念してシンポジウムを開催

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ニュース
  • 2022年3月8日

    2022年2月28日、UNU-IASは、国際女性デー(3月8日)を記念して、「女性が拓く経済と社会変革 −ウーマノミクスのこれから−」をテーマにオンラインシンポジウムを開催しました。主催はいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)で、安江雪菜氏(株式会社計画情報研究所 代表取締役社長)がモデレーターを務めました。

    基調講演は、キャシー松井氏(MPower Partners ゼネラル・パートナー、ゴールドマン・サックス証券会社、元日本副会⻑およびチーフ日本株ストラテジスト)が行い、「ウーマノミクスの意義とESG投資で社会を変える」と題し、3つのテーマで基調講演を行いました。

    ESG(環境・社会・ガバナンス)投資のメリット

    松井氏は、最新のESGの動向を紹介し、カーボンニュートラル、多様性、従業員の健康などの分野におけるビジネスと投資の可能性を強調しました。特に多様性の重要性を強調し、異なる視点からのインプットを得ることで、ビジネスのリスクを低減することができると述べました。松井氏は、日本がESG投資のトレンドに乗るのが遅かったことを認めつつ、現在では世界で最も高い市場成長率を示していると指摘しました。また、ESG投資とSDGsの関連性を探り、従業員が企業のミッションやバリューを重視する傾向が高まっていることを指摘しました。

    成長の原動力としての「ウーマノミクス」の意義

    松井氏は、1999年に発表した画期的な「ウーマノミクス報告書」以降からのデータを紹介しながら、2055年には日本の労働人口の40%もの減少が予想されることを説明しました。この課題を克服するために、労働市場と管理職への女性の登用を増やす必要性を訴え、それに伴う政策について述べました。さらに松井氏は日本の女性の就業率は2013年以降劇的に上昇したが、未だ所得や雇用形態には大きな男女格差があると述べました。ジェンダーギャップを解消することで、日本のGDPを15%押し上げることができるという予測があること、そして考え方の多様性が企業にとって有益であることがエビデンスに基づくデータで示されていることを強調しました。また、男女の賃金格差の開示義務化、より柔軟な労働契約、国会での男女別定数割り当て(クオータ制)などを提言しました。

    女性労働者の成功する環境作りのために経営者ができる具体的な行動

    松井氏は、企業が女性社員のキャリア管理を強化するために、スポンサーシップやメンター・トレーニングを提供することを提案し、リーダーが包括性を促進し、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)への認識を高める必要性を強調しました。また、ワークライフ・バランスではなく、ワークライフ・エクイブリム(釣り合い)という言葉を使うことを提案し、「Done is better than perfect(完璧にやるよりも、やることが重要)」をモットーとしていることを紹介しました。

    グループディスカッションでは、女性のエンパワーメントを北陸経済の起爆力にするための取り組みについて話し合われました。このイベントの他のスピーカーは以下の通りです。

    • 志賀嘉子氏(株式会社ウフフ 代表取締役社長)
    • 谷村麻奈美氏(株式会社エリンク 代表取締役)
    • 灰田さち氏(株式会社石川ツエーゲン 事業企画部次長兼ホームタウン推進室長)
    • 宮原吏英子氏(株式会社日本政策投資銀行北陸支店 副調査役)

    パネルディスカッションを含む、更なるイベントの詳細はこちらをご覧ください。

    また、イベントの動画はUNU-IASのYouTubeチャンネルからご視聴いただけます。