さまざまな仕事が支える里海づくり

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  • 2017年6月15日     東京

    Photo: UNU-IAS OUIK

    Photo: UNU-IAS OUIK

    UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)は6月10日、OUIK生物文化多様性シリーズ3「能登の里海ムーブメントー海と暮らす知恵を伝えていくー」の刊行を記念して「さまざまな仕事を通じて支えあう里海づくり」を開催しました。国連大学本部で「里海」を題材にしたシンポジウムが行われたのは、初めてのことでした。

    本イベントでは、日本の里海における漁法や資源管理といった伝統的な「コモンズ」の考え方を生かしつつ、現代社会にふさわしい漁業資源や沿岸の共同管理の仕組みづくりが必要であると強調されました。また、こうした動きが持続可能な開発目標(SDGs)14「海の豊かさを守ろう」の達成につながるとの認識が共有されました。

    渡辺綱男OUIK所長の開会あいさつの後、武内和彦UNU-IAS上級客員教授が「『能登の里山里海』からみる森里川海のつながり」について基調講演しました。また、イヴォーン・ユーUNU-IASリサーチ・アソシエートが「能登の里海ムーブメント」の活動報告を行いました。このほか、石川県の能登地方で伝統的な「ボラ待ちやぐら漁」を復活させた漁師や、ダイビングを通じて漁場保全のためのモニタリングを行う高校教諭など、地元住民らが里海づくりに関する取り組みを発表しました。

    また、岡山県備前市日生町と宮城県南三陸町での里海づくりが、先進事例として紹介されました。パネルディスカッションでは、パネリストが参加者とともに、里海の定義や里海づくりのあり方について議論を交わしました。

    詳しい報告は、OUIKのウェブサイトをご覧ください。