UNU-IAS10周年記念イベントを開催

ニュース
  • 2024年6月26日     東京

    Photo: Christian Brauneck / UNU-IAS

    2024年6月19日、国連大学サステイナビリティ高等研究所は設立10周年を記念した特別イベントを開催しました。本イベントは文化とサステイナビリティの深いつながりを感じることのできる、東京国立博物館にて開催されました。国連大学にゆかりの深いリーダー、ドナー、パートナー、研究者、アラムナイ、学生およびスタッフが集い、UNU-IASのこれまでの成果を振り返り今後の発展について議論しました。持続可能性の推進に向けたシナジーをテーマに、パネルディスカッションを開催しました。ディスカッションでは、統合的で科学に基づいた世界における持続可能性に関する解決策や人間の安全保障アプローチを用いどのようにプラネタリーヘルスや人間のウェルビーイングに関する課題に対応するかについて話し合いました。

    UNU-IAS 山口しのぶ所長は、国際交流を長い歴史の中で推進し先見性のあるビジョンを持つ東京国立博物館で本イベントを行う意義について話しました。

    冒頭の挨拶にて国連大学チリツィ・マルワラ学長は、グローバルにおける持続可能性の課題に対してUNU-IASが科学と教育の橋渡し役となり政策に貢献してきたと強調しました。また、2014年の設立からUNU-IASを支えてきた日本政府を始めとするドナーやパートナーに対して感謝の意を表しました。

    外務省金井正彰国際文化交流審議官(大使)は、UNU-IASが教育や能力育成を通して日本における国連システムのプレゼンスを高めてきたことを強調しました。また、文部科学省渡辺正実国際統括官は、UNU-IASによる知見の共有が科学に基づいた政策立案に貢献していると述べました。さらに、環境省神谷洋一大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成、気候変動、生物多様性損失、汚染の3つの環境危機への対処に向けてはシナジーが重要であると話しました。UNU-IASがSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)や持続可能な開発のための教育などのプロジェクトの推進を通して、最前線でシナジーを推進していることにも言及しました。

    Photo: Christian Brauneck / UNU-IAS

    最初のパネルディスカッションでは、UNU-IASが持続可能性に向けたシナジーをさらに強化する上での提言について話し合いました。研究所間のコラボレーションの更なる推進、科学をより身近に感じてもらうための市民やユースへのエンゲージメントの強化および知見の共有の促進などが提言として挙げられました。パネリストは、個人、コミュニティおよび企業、団体との効果的なコラボレーションを推進する上では、まず信頼関係を構築することが重要であると話しました。

    次のパネルディスカッションでは、人間の安全保障アプローチと持続可能性の未来について検討しました。パネリストは未来の持続可能な発展を主導する人的資本の育成に、UNU-IASが大きな役割を果たしていることを強調しました。

    閉会の挨拶にて、国連大学白波瀬佐和子上級副学長は、強固なシナジーやパートナーシップがこれまでのUNU-IASの成果に表れており、より持続可能な未来に向けた変革をグローバルで進める上でさらにUNU-IASの働きが重要となるであろうと話しました。