生物多様性保全と持続可能な開発における都市部の庭園の役割に焦点を当てたビデオシリーズ

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  • 2022年9月27日

    国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、生物多様性の保全と持続可能な開発に寄与する都市自然の役割に焦点を当てる、金沢市の伝統的な庭園を特集した新たなビデオシリーズを立ち上げました。

    UNU-IASのフアン・パストール・イヴァールス研究員は、「これらの庭園は、都市自然の重要な一部です」と語ります。これらの庭園は、地域の住民に自然環境とつながる空間を、そして地域の生物種には生態系を提供しています。本ビデオシリーズの第1章は『水がめぐるまち かなざわ』と題し、水を都市部の庭園における重要な要素と位置付け、金沢のまちの疏水と庭園を通じた水の流れが、いかに植物や動物の住処を維持し、住民の幸福(ウェルビーイング)に貢献してきたのか、を明らかにします。

    第2章『職人の暮らしと庭園』 は、地域の職人と日本庭園との象徴的な関係性に焦点を当てることで、いかに職人たちの生活が地域の生物文化的(biocultural)な多様性における持続可能な都市生態系の豊さを作り出しているか、また人間と自然がいかに支え合っているかを描きます。

    人と人をつなぐ庭園』と題した第3章は、都市部の庭園が、いかに人々に社会的・環境的な影響を与える開かれた空間として機能するかを描いています。金沢の伝統的な庭園での清掃ボランティアやお茶会などの活動は、住民の幸福(ウェルビーイング)やコミュニティー内の結びつきを高めるとともに、地域の生物多様性への恩恵への理解を深めます。

    本ビデオシリーズ最終章となる第4章『文化と自然:金沢の未来』は、構築環境の過去と未来の架け橋となって都市環境を形成する都市部庭園の役割に焦点を当てています。また、金沢市の伝統的な庭園設計を例に、緑地インフラを創り出し、自然と文化を融合させる庭園の役割を描きます。金沢の豊かな庭園の伝統は、現代の都市開発が街の生活の質を向上させるための指針として役立ちます。

    本ビデオシリーズは、生物多様性の保全、文化的価値の保護、温度調節など都市部の庭園がもたらす様々な恩恵への認識を高めるために、UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)によって実施されている持続可能な都市自然(SUN)プロジェクトの一環として立ち上げられました。イヴァールス博士は、「より多くの人が金沢市の都市自然の重要性を正しく評価し、私たちの活動に参加してくれることを願っています」と述べています。

    本ビデオシリーズは、UNU-IASの YouTubeチャンネルからご覧いただけます。