2023年8月23日
2023年8月10日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は「持続可能な世界のために変化を起こす−地域コミュニティの行動とサステナビリティの交差性を探る(Igniting Changes for a Sustainable World: Embracing Intersectionality in Sustainability and Local Community Actions)」をテーマとしたウェビナーを共催しました。本イベントでは、国際青少年デーを記念して世界中から116人の参加者が集まり、持続可能な社会の実現に向けた若者主導の取り組みや地域社会の行動について議論しました。持続可能な開発のための教育に関する地域の拠点(RCEs)地域ユースコーディネーターが主催し、グローバルRCEサービスセンターが共催しました。
開会の挨拶にてUNU-IAS山口しのぶ所長は、持続可能な未来に向け根本的な社会変革を進めるために、若者が創造性と潜在能力を最大限に発揮できる環境を整えることの重要性を強調しました。また、RCEユースメンバーにウェビナーのなどのプラットフォームを活用し、それぞれの取り組みや計画を共有し連携を進めることを呼びかけました。
環境省環境教育局環境教育推進室美鳥佳介主査は、世界が直面する多くの環境問題に取り組むためには、持続可能な開発のための教育(ESD)が不可欠であると話しました。若者が連携を深め、地域を超えて知見を共有することが、持続可能な開発目標(SDGs)達成のための行動につながります。
また、一般社団法人SWiTCHの佐座マナディレクターは、気候行動における若者の役割をテーマとした基調講演を行いました。講演では佐座ディレクターが推進するプロジェクト「持続可能な大使プログラム」を紹介し、若者が政策立案に参画し、持続可能な実践を促進することの必要性を強調しました。加えて、自身の経験から、大胆なビジョンを持つこと、野心的な目標を設定すること、支援のネットワークを構築すること、前向きさと回復力を維持することおよび教育を通じて他者に力を与えることの重要性も取り上げました。
環境公正財団(Environmental Justis Foundation)エンジェル・マリー・イシク フィリピン・キャンペーン担当は、世界的な問題に対する適切な解決策を見出すために、いかにインターセクショナリティ(交差性)が創造的かつ総合的なアプローチを可能にしているか強調しました。
参加者からの質疑において、佐座ディレクターは、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC COPs)など国際会議での対話に参加することで、若者が自分たちの声を届け、影響を与えることができると話しました。またイシク氏は、地元の視点を理解し、コミュニティと協力するよう参加者に呼びかけました。
その後の分科会では、責任ある天然資源の管理の提唱、環境保護に関する関心の向上、パートナーシップを活用した環境に優しい技術の開発および持続可能性に携わる人々への指導や実地経験を提供するプログラムなど、若者が推進しているプログラムについて紹介しました。