第1回開催:ウェビナー:SDGs先進企業の「パーパス経営」について対話しよう!

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  • 2021年10月25日     オンライン

    2021年10月19日に、国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG-UP)と SDG企業戦略フォーラムの共催で、企業が自らの「パーパス経営」について次世代を担う学生と共有し、対話する第1回オンラインセミナー(全3回)が開催され、大学生を中心とした40名程度が参加しました。

    第1回目は、トヨタ自動車株式会社より、Chief Sustainability Officerである大塚友美氏、UCCホールディングズ株式会社より執行役員 サステナビリティ推進室長兼UCC上島珈琲株式会社 取締役副社長である里見陵氏を講演者としてお招きして、それぞれの企業の「存在意義(パーパス)」を基軸にしてお話いただきました。

    大塚氏は「トヨタのSDGsへの取組み」と題し、トヨタの存在意義(パーパス)は、世界中の人々が幸せになるモノやサービスを提供すること、すなわち「幸せの量産」を実現することだと紹介しました。そして、人々の暮らしと社会をより良くするために、研究と創造、新技術の開発に励み、お客様の幸せとトヨタの仕事に関わるすべての人の幸せの実現に取り組むことがトヨタの使命であると力強く明言しました。そのためには、常に「誰かのため」に尽力する「YOUの視点」をもった人材が必要になると述べ、具体的な取り組みとして、モビリティカンパニーへの変革、Woven Cityでの実証実験、志を同じくするパートナーとの連携、従来のやり方にとらわれない組織改革、などについて説明しました。また、トヨタのサステナビリティの特徴は、世の中のお役に立つ、実用的なものをつくる「サステナブル&プラクティカル」であり、SDGsについての勉強会などボトムアップで始まる活動が増えていることにも触れ、先の見えない時代に幸せを量産するためには、意志ある情熱と行動が重要であると強調しました。

    里見氏は、コーヒーを基軸に関連事業をグローバルに展開するUCCグループのパーパス経営について紹介しました。UCCのパーパスは「より良い世界のためにコーヒーの力を解き放つ」ことで、人々の暮らしに寄り添い「前を向く力」と「やすらぎ」を与えるコーヒーの力を信じ、コーヒーを通して持続可能な社会の実現に貢献することを誓っています。そして、コーヒーの価値を探求し、挑戦を続け、ステークホルダー・パートナーとも緊密に連携していくことが、社員として持つべき共通価値観(バリュー)であると話しました。里見氏は、不確実な将来を予想し答えを求めることは困難だが、自らの存在理由を問い、それを提示することは可能であるとして、パーパスを示し共感を生み育てることが大変重要であると指摘しました。また、パーパス、バリューとともに、UCCの目指す世界を凝縮したコーポレートメッセージ、「ひと粒と、世界に、愛を」という言葉を紹介しました。企業活動の上では、パーパスを自社内の商品開発や評価、人材育成などの場において判断基準や道しるべとして活用し、経営に活かしていることを強調しました。

    講演後は、参加者から質問が多く寄せられ、活発なQ&Aセッションが行われました。

    本セミナーの締めくくりとして、これから社会に出ていく学生たちに対し、トヨタの大塚氏からは「社会に出てビジネスパーソンになっても、一人の人間として素直に感じたことを実行し積極的に発信して欲しい」、UCCの里見氏からは「他と比べることなく自分の信じる道を自分の意思で決めて歩んで欲しい」と、期待を込めたメッセージが寄せられました。

    第2回:2021年11月17日(水)16:00-17:30… (終了)
    (登壇者)
    山本有氏(三井不動産㈱サステナビリティ推進部長)
    小和田みどり氏(ライオン㈱サステナビリティ推進部長)
    ※質疑応答あり

    第3回:2021年12月16日(木)16:00-17:30… (終了)
    (登壇者)
    新田幸弘氏(㈱ファーストリテイリング グループ執行役員)
    (特別座談会)
    伊藤武志氏(大阪大学社会ソリューションイニシアティブ教授)
    新田幸弘氏(前出)
    沖大幹(SDG企業戦略フォーラム座長、国連大学上級顧問)
    山口しのぶ(SDG大学連携プラットフォームチェア、国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)
    ※質疑応答あり