第2回開催:ウェビナー:SDGs先進企業の「パーパス経営」について対話しよう!

, ,

ニュース
  • 2021年11月24日     オンライン


    2021年11月17日、国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG-UP)と SDG企業戦略フォーラムの共催で、企業が自らの「パーパス経営」について学生と対話するオンラインセミナー(全3回)の第2回が開催され、大学生を中心とした80名の参加登録がありました。今回は、三井不動産㈱サステナビリティ推進部長の山本有氏、ライオン㈱サステナビリティ推進部長の小和田みどり氏、2名を講演者としてお招きして、それぞれの企業の「存在意義(パーパス)」を基軸にお話していただきました。

    山本氏は、東京ミッドタウンや柏の葉スマートシティの建設など時代を先取りした事業を手掛けている三井不動産の存在意義(パーパス)について、「街づくりを通して持続可能な社会の実現に貢献すること」であると述べ、1673年創業の三井不動産グループ発祥の地である日本橋の再生計画の事例を紹介しました。同社は、1999年に日本橋再生計画を策定、その開発コンセプトである「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をモットーに、日本橋の歴史と伝統を守りつつ街全体の活性化に取り組んでいます。そして、この計画の4つのキーワード、「地域共生」「界隈創成」「産業創造」「水都再生」について説明し、日本橋エネルギーセンターの建設、神社や路地の再整備、日本最大・最高層の木造オフィスビル建設計画、日本橋川の清掃と橋洗い、高速道路の地下化など、環境社会に配慮した持続可能な街づくりの具体的な取り組みを紹介しました。山本氏は、首都高の地下化が終了し周辺の再開発が完成した際の予想図を披露し、同社の環境理念である人と地球がともに豊かになる社会を目指す「&Earth(アンドアース)」の実現に向け、今後も事業を推進していきたいと強調しました。

    小和田氏は、2021年で創業130周年を迎えたライオン株式会社が、「『愛の精神の実践』を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する」という社是を持ち、様々なチャレンジを行ってきたことを説明しました。同社は中長期経営戦略フレーム「Vision 2030」を策定し、この中でパーパス(存在意義)を「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」であると明言しています。また、パーパスドリブン経営により、心と身体のヘルスケア、地球環境の維持、ロイヤルユーザーの獲得、事業機会の創出を促進し、他社との協働事業にも力を入れていることを説明しました。そして、歯みがき大会やハブラシリサイクルの実施、容器のコンパクト化や詰め替え習慣の奨励などに加え情報の提供にも力を入れ、健康で快適な生活習慣づくりに向けて国内外で行われている様々な取り組みを紹介しました。小和田氏は、変わりゆく社会の中で企業が改めてその役割を問われる時代に、パーパスを明確にすることによって社員が一丸となり企業力の向上が期待できる利点を強調し、より良い習慣づくりで人々の毎日に貢献していきたいと述べました。

    講演後のQ&Aセッションでは、参加者からの質問の一つ一つに丁寧に答えていただきました。
    最後に、これから社会に出ていく学生たちに対し、三井不動産の山本氏から、「日々のあいさつや、上司であっても間違っていたら指摘するなど、人が生きていくための基本的なことに忠実であって欲しい。」、ライオンの小和田氏からは、「20代は輝かしい時代!いろいろな経験が人を育てると思う。今だからこそできることがあるので、ぜひ頑張ってチャレンジしていってほしい。」とのメッセージが寄せられ、第2回のセッションが終了しました。

    ———————– ———————– ———————– ———————–
    第3回:2021年12月16日(木)16:00-17:30…(終了)
    (登壇者)
    新田幸弘氏(㈱ファーストリテイリング グループ執行役員)
    (特別座談会)
    伊藤武志氏(大阪大学社会ソリューションイニシアティブ教授)
    新田幸新田幸弘氏(前出)
    沖大幹(SDG企業戦略フォーラム座長、国連大学上級顧問)
    山口しのぶ(SDG大学連携プラットフォームチェア、国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)
    ※質疑応答