タイ政府職員に「ネットゼロ戦略」を開発するワークショップを開催

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  • 2023年3月12日     バンコク


    2023年3月1〜3日にかけて、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)はタイのバンコクでネットゼロをテーマとした「カーボンニュートラルへの移行戦略」のワークショップを実施しました。本セッションでは、タイ政府の職員が問題解決演習やグループ活動に参加し、カーボンニュートラルな社会の実現に必要な知識とスキルを高めました。本ワークショップは、タイ王国天然資源・環境省環境品質推進局(DEQP)との連携および、韓国環境公団(K-Eco)の支援のもと開催されました。

    開会挨拶で、UNU-IAS山口しのぶ所長は、タイにおけるネットゼロへの移行のための制度的・技術的能力を強化し、カーボンニュートラルな社会に向けた同国の歩みを支援することを目指す、という本プログラムの目的を強調しました。韓国環境公団のユン・ヨンボン グローバル戦略室長は、官民分野における実践の優良事例を共有するために協働することの重要性を強調しました。DEQPのタイ チョンラク・ティナグル代表は、タイが直面している気候リスクについて説明し、気候変動の緩和とカーボンニュートラルの重要性について述べました。

    ワークショップでは、ネットゼロの実施に携わる国内外の専門家が、世界中の成功した脱炭素アプローチと証拠に基づいた実践に関する一連の講義を行いました。講義科目には、タイの緩和と適応の優先順位を踏まえつつ、コスタリカ、日本、韓国での優良事例が組み込まれました。トピックは、ネットゼロのガバナンス、測定、報告、検証システムや、エネルギー効率と再生可能エネルギー、持続可能な都市設計、自然を基盤とした解決策、輸送、廃棄物管理、エコツーリズムなどです。

    参加者は、タイが直面しているネットゼロの課題を特定し、研修科目からの学習をもとに、デザイン思考の枠組を用いて行動計画を策定しました。活動計画では、プラスチック工場の廃棄物管理、環境に優しい農法に移行する米農家への政府の支援、包括的なEV充電システムの欠如、農地開墾のための焼畑、環境型ホテルへの移行戦略、観光客の廃棄物管理意識、といった問題に取り組みました。

    参加者のパッカナット・ペンサワット氏は、本ワークショップを振り返って「ネットゼロのコンセプトを地域社会に根付かせ、実践的な実施を促すことの重要性を理解することができた」と述べました。

    本ワークショップは、気候変動に関するパリ協定の効果的な実施とガバナンスのための国家能力を構築するK-eco Global Net-Zero Partnership (K-GNP) プロジェクトの一環として行われました。本プロジェクトは、大韓民国政府によって資金提供を受け、韓国環境公団(K-Eco)によって実施されました。