2019年 世界水の日記念シンポジウム「SDGs時代の世界の水」開催

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  • 2019年4月3日     東京

    Photo:UNU

    UNU-IASは2019年3 月22日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連広報センター(UNIC)との共催で、2019年世界水の日記念シンポジウム「SDGs時代の世界の水」を開催しました。

    皇太子殿下のご臨席の下に行われた本シンポジウムには、チリ大統領を歴任したミチェル・バチェレ人権高等弁務官、工藤彰三国土交通大臣政務官を始めとする国内外の要人に加え、世界で活躍する水と人権の専門家たちが参加し、国連「持続可能な開発目標」(SDGs)の基本理念として掲げられている「誰一人取り残さない」持続可能な開発を、水・衛生の分野でいかに実現するか、知見を分かち合いました。

    シンポジウムの開会にあたり デイビッド・マローン UNU学長より、その中で水と衛生に関する国連大学の取り組みや本シンポジウムに関する期待が述べられました。工藤彰三国土交通大臣政務官は、近年の水害や渇水被害の現状や、2014年の「水循環基本法」の制定を含む日本政府の取り組みについて紹介しました。ミチェル・バチェレ人権高等弁務官は、水へのアクセスは人権であり、命そのものであること、持続可能な開発の恩恵が受けられないことは、人権を与えられないことであると訴えました。
    基調講演では、沖大幹 UNU上級副学長・東京大学教授が、飲み水に関するミレニアム開発目標(MDGs)(指標7.C) 達成の経緯と、SDGsに活かすべき教訓について発表しました。またOHCHRの羽田鯉生氏より、「誰一人取り残さない」水へのアクセスをテーマとした「2019年世界水発展報告書」の紹介が行われました。

    UNIC根本かおる所長をモデレーターとするパネル討論には、東京大学の福士謙介教授をはじめ、国連児童基金(UNICEF)、国際NGOプラン・インターナショナル、国際協力機構(JICA)から専門家が参加し、それぞれアフリカとアジアでの実務経験から、水・衛生・持続可能な開発について意見を交わしました。最後に熊本市より「アジア太平洋水サミット」の2020年開催についての紹介が行われた後、竹本和彦 UNU-IAS所長の閉会挨拶で幕を閉じました。