第8回世界水フォーラムに参加

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  • 2018年3月27日     ブラジリア

    Photo: UNU-IAS / 福士謙介氏(サステイナビリティ学連携研究機構)による開会挨拶

    国連大学は3月18日~22日、第8回世界水フォーラム(ブラジリア)において、急速な成長を遂げる大都市における持続可能な水管理、および水循環の健全性評価手法をテーマに見解を示しました。

    2018年3月19日の日中韓水担当閣僚級会議、および3月20日のテーマ別セッション(7.b.2. Implementation of Inclusive Policies with the Participation of All Stakeholders)においては、沖大幹国際連合大学上級副学長 (国際連合事務次長補)がWater Cycle Evaluationプロジェクトにおいて開発している水循環の健全性評価手法の素案についてプレゼンテーションを行いました。また、評価手法は人工的な水インフラを含む地域の詳細な情報を反映し、より実態に沿った現実的なリスク情報を提供できるものであることが重要との認識を示しました。

    3月22日(木)、UNU-IASは急速な成長を遂げる大都市における持続可能な水管理をテーマとしたサイド・イベントを開催しました。持続可能な水と都市のためのイニシアチブで得られた研究成果のプレゼンテーションに続き、会場の聴衆も交えてディスカッションが行われました。主な論点として、都市の水環境アセスメントにおける課題、アジア大都市圏における気候変動と急速な都市化に対処するためのストラテジーなどが取り上げられました。

    議論では、都市の持続可能な水管理にむけた科学的根拠に基づく方策の重要性が指摘されました。具体的には、シミュレーションの正確性を向上させるためのデータベースの改善、グレーインフラとグリーンインフラを組み合わせることによる効果的なストラテジーなどについて意見が交わされ、これらの方策を実施するために、地域社会、研究者、政策決定者といった全てのステークホルダーが関わることの必要性が確認されました。とりわけ研究者と政策決定者の間に関係を構築することの重要性が強調されました。

    持続可能な水と都市のためのイニシアチブの研究アプローチや政策提言について、より理解を深めてもらうべく、イベント参加者にはイニシアチブの4年間の研究成果をまとめたブックレット「Future Outlook of Urban Water Environment in Asian Cities: Summary for Decision Makers(アジアの都市における都市水環境の展望:政策決定者からのまとめ)」が配布されました。