国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)第25回ワークショップ開催

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ニュース
  • 2024年1月22日

    Image: UNU-IAS

    2023年6月21日、SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)の第25回ワークショップがオンラインで開催され、参加大学20校から44名が出席しました。今回は、2020年11月の第2回ワークショップから合わせて3回講演していただいているTimes Higher Education (THE) チーフ・データ・オフィサーであるダンカン・ロス氏をお招きしました。

    冒頭、SDG–UPチェアも務める国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)山口しのぶ所長が開会挨拶を行いました。挨拶にて、THE主催の国際会議に北海道大学のサステナビリティ統括チームも参加し発表を行なったことを共有しました。本会議は、インパクトランキングを通して大学同士が学び合う実り多いものであったと述べました。

    続いて福士健介アカデミック・プログラム・アドバイザーからの紹介を受けて、ダンカン・ロス氏が How the SDGs can change the perception of Higher Educationと題した講演を行いました。本講演では、SDGs達成を目指す上で大学がどのように貢献できるかに焦点が当てられました。世界には35,000校ものの大学があり、その経済活動は世界総生産の1.7パーセントを占めています。大学は経済的な影響力も兼ね備えていることから、ダンカン・ロス氏は大学がSDGsに取り組むのに適した場所であることを強調しました。また、インパクトランキングについて定量的な数値測定が難しい項目は、定性的なエビデンスの提出を求め公平な審査を実施していることを共有しました。加えて、今年のスコアの算出に関する変更点、国際的な動向や日本の大学の特徴などについても紹介しました。そして、THEが先進国と途上国の大学間のパートナーシップを推進することで相補完的な効果が生まれることに関心を示していると共有しました。さらにトップ100に日本の大学が4校入っていることも取り上げ、日本の大学に向けてSDG17におけるさらなるパフォーマンスの向上、異なる目標間の横断的な取り組みへの期待を示し、講演を終えました。その後、福士アカデミック・プログラム・アドバイザーをモデレータとして、ダンカン・ロス氏への質疑応答が行われました。

    次に北海道大学の横田篤理事、副学長が、日本の農業や漁業の分野における北海道大学の取り組みをTHE主催のGlobal Sustainable Development Congressのパネルディスカッションにて発表したことを共有しました。横田理事は国際的な場で直接議論するのは刺激的であり、実り多い会議であったと所感を述べました。

    第2部の参加大学によるグループ討論では、参加者が4つのグループに分かれ、1)インパクトランキングの2023の感想やTHEへの要望、2)外部評価の活用方法をテーマに活発なディスカッションが行われました。

    総括として村田俊一関西学院大学教授(SDG-UPアドバイザー)は、インパクトランキングは国際社会全体で取り組むことが必要不可欠であるものの、統計からは欧米の産業国優位のランキングであるように見受けられると述べました。その上で、途上国や島嶼国とのパートナーシップの重要性を指摘しました。また、北海道大学がTHEのサウジアラビアでの国際会議に出席し発表を行ったことは、アジア太平洋を代表し北海道大学の素晴らしい取り組みを国際社会に印象づけられたのではないかと評価しました。村田教授は、SDGsでは目標の第1に貧困をなくそうを掲げているが我々もその優先順位を胸に刻み国内外で弱者の声を拾いパートナーシップを構築し、プロジェクトを推進していきたいと強調しました。

    本ワークショップの詳細なレポートは、こちらをご覧ください。

    参加大学

    千葉商科大学、愛媛大学、広島大学、北海道大学、国際基督教大学、慶應義塾大学、関西学院大学、ノートルダム清心女子大学、奈良教育大学、岡山大学、大阪医科薬科大学、大阪公立大学、龍谷大学、昭和音楽大学、上智大学、創価大学、東海大学、東京都市大学、東京工業大学、東洋大学

    全20校(アルファベット順)