持続可能な都市開発のためのアジア太平洋首長アカデミー 開会セッション

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  • 2020年12月3日

    2020年11月24日、「持続可能な都市開発のためのアジア太平洋首長アカデミー」2020-2021の開会セッションがアジア太平洋地域の9か国・16市長の参加を得てオンライン開催されました。アジア太平洋首長アカデミーは、国連アジア太平洋経済社会委員会 (ESCAP)、国連人間居住計画(UN-Habitat)、UNU-IAS、都市・自治体連合アジア太平洋支部(UCLG-ASPAC)、環太平洋大学協会(APRU)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)による共同イニシャティブです。開会セッション及び第1回講座は、2030年の都市―持続可能な都市開発のための計画、管理、ファイナンスにおけるリーダーシップに焦点を当てて開催されました。

    アーミダ・サルシャ・アリシャバナ (Executive Secretary, UNESCAP) は開会挨拶において2030アジェンダ及びパリ協定を実施する上で都市の重要な役割を認識し、本アカデミーの参加首長が主要優先事項に焦点を当て、持続可能で革新的な都市政策を実施する上でコミュニティ及び地域全体における先導者となることを奨励しました。マイムナ・モハメド・シャリフ (Executive Director, UN-Habitat) は、都市におけるCOVID19対応を称えつつ、学びの共有と地域のリーダーシップの重要性を強調しました。ベルナディア・チャンドラデヴィ (Secretary-General, UCLG-ASPAC) は首長によるコミットメントについて、都市・地域の持続可能な開発に向けセクターを超えた様々な課題に対応する上で成功要因になり得るとして感謝の意を表しました。山口 しのぶ (Director, UNU-IAS) は地域イノベーション、資源動員、またグローバル枠組を効果的に実施するためのキャパシティ開発に関する必要性を明示しました。高橋康夫 (Executive Director, IGES) は持続可能な開発において都市が果たす基礎的役割を強調するとともに、2050ゼロカーボン達成を目指す日本の約束を共有しました。クリスティナ・シュンリバー (Director of Policy and Programmes, APRU)はパートナー機関からの挨拶を総括しつつ、首長に対して対話型の学びを得て地域内の首長ネットワーク構築を続けることを促しました。

    ステファノス・フティウ (Director, Environment and Development Division, UNESCAP)によるアカデミー紹介においては、学びの戦略及びアジアの都市の未来に関する報告書に基づきどのように単元が構成されているかについて説明が行われました。続いて カヴェ・ザヘディ(Deputy Executive Secretary, UNESCAP) が2019年卒業生との議論のモデレータを務め、マレーシア・スバンジャヤ市長 ノライニ・ロスラン 及びフィリピン・シパレー市長 マリア・ジーナ・リザレス が各都市におけるCOVID19対応の経験を共有しつつ、参加した首長に対して、持続可能な開発イニシャティブ実施を支援するため本アカデミー参加の機会を活用することを奨励しました。

    次にカート・ガリガン (Chief, Urban Development Section, UNESCAP)から世界的な開発アジェンダ及びローカライゼーションに関する講義が行われ、清水瞳 (Shimokawa)からケーススタディとして日本の下川町における自主的ローカルレビュー(VLR)に関する発表が行われました。その後、首長達はグループセッションに分かれ、SDGs及び都市の課題をどのようにSDGsと関係付けるかについて議論を行いました。山口 しのぶ (Director, UNU-IAS) はそのうち一つのグループセッションのファシリテーターを務め、首長達は都市の水環境シナリオに関して可能な対策、また地域の状況に応じたSDGs適用に関して議論を行いました。開会セッションの最後には、次のセッションに関して2020年12月8日・15日にCOVID19への対応と復興:地方公共団体の役割と対策に焦点を当てて開催されることが紹介されました。