新刊書籍にて生物多様性と健康、持続可能性の相互関係を検証

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  • 2022年6月21日     東京

    国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の新刊オープンソース書籍は、地域の伝統的知識が自然資源の持続可能な管理や生物多様性の保全と回復、すべての生きものの健康にいかに貢献できるか、に焦点を当てながら、生物多様性と健康、持続可能性との関係について検証しています。

    社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における生物多様性-健康-持続可能性の相互関連性(英題:Biodiversity-Health-Sustainability Nexus in Socio-Ecological Production Landscapes and Seascapes (SEPLS))」 と題された本書籍は、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の加盟団体から提供された世界中の事例研究を紹介しています。さらに、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)による、生物多様性、水、食料、健康の間の相互関連性に関する今後3年間のテーマ別評価、即ち「ネクサス・アセスメント」に対する洞察を提供しています。

    共同執筆者であるUNU-IASの西麻衣子研究員は、「これらの事例研究は、SEPLS管理が人間と生態系双方の健康を高める上で、いかに有益なツールとなり得るかを示しています。本書籍は、私たちが急速な生物多様性の喪失に直面している、現在という決定的な時期に出版されました。生物多様性の喪失は、将来のパンデミック(感染症の世界的大流行)のリスクを高める主要な要因の1つでもあります。」と述べています。

    本出版物は、これまで6年にわたって刊行されてきた「SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー」シリーズの一つです。IPSIは、2022年6月現在、自然と調和した社会の実現を目指す283の加盟団体から成るパートナーシップです。UNU-IASは、IPSIの事務局として、メンバー組織間で知見を共有し、それぞれの活動実施における相乗効果を高めるための国際プラットフォームを提供しています。

    本書籍は、UNU Collectionsからダウンロード可能です。