気候変動と水の安全保障を議論

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  • 2025年4月10日     オンライン

    2025年3月25日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は世界水の日を記念したオンラインイベントを開催しました。本イベントでは、気候変動への適応の観点から水の安全保障に関連する課題と潜在的な解決策について議論しました。

    UNU-IAS山口しのぶ所長は冒頭挨拶にて、持続可能な開発における水の中心的な役割と、世界的な水の安全保障の課題への対処が急務であることを強調しました。UNU-IAS勝間靖アカデミック・プログラム・アドバイザーは、2025年の世界水の日のテーマは「氷河の保全」であり、3月21日に初めて世界氷河デーが祝われたことを紹介しました。

    沖大幹氏(東京大学教授、元国連大学上級副学長)は、気候リスク境界と極端な気温と降水量への適応に関する基調講演を行いました。沖氏は、将来の課題に備えるためには、グローバルパートナーシップを通じた知見と技術の円滑な交換が不可欠であるとを強調しました。

    アジア工科大学ムカンド・シン・バベル教授は、政策、計画および投資の中心に水を据えた統合的な解決策の重要性を強調しました。バベル教授は、ネクサス(相互関連)アプローチの採用と他のセクター政策における水の主流化についても呼びかけました。

    UNU-IASカミーユ・エミリー・ヒュッテル・ラスムッセン博士課程学生が司会を務めた学生セッションでは、ガーナ、インドネシア、スリランカおよびチュニジアにおける水の安全保障問題を取り上げました。不均等な水の分配、アクセスの欠如、汚染、不十分なインフラおよび気候変動などの課題について議論が展開されました。

    最後に、国連大学比較地域統合研究研究所(UNU-CRIS)ニディ・ナガブハトゥラ主席研究員は、国連大学水ネットワークによる政策指針、天然資源管理および新技術に焦点を当てた水安全保障問題への取り組みを紹介しました。

    本イベントは、UNU-IAS、東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)および国連大学水ネットワークとの協働で行われました。