仙台防災枠組に、精神保健に関する視点が組み込まれました

ニュース
  • 2015年4月15日

    2015年3月、宮城県仙台市にて第3回国連防災世界会議が開かれ、会議の成果として、「仙台防災枠組」が採択されました。これは、今後15年に渡って国際的に合意された防災枠組であることから、国際社会はこの枠組に則った対策がこれから求められることになります。今回、この仙台防災枠組にて、災害後の復興過程における「心理社会的支援と精神保健サービス」(仮訳)の重要性について言及されました。

    仙台での防災世界会議に先立って、2014年11月に、国連大学本部にて「防災における精神的ウェルビーイングと障害に関する国連専門家会議」が開催されました。国連大学国際グローバルヘルス研究所との共同で開催されたこの会議では、国連専門家グループが成果文書を作成し、新たな防災枠組や持続可能な開発目標に向けた提言をまとめました。この結果、この成果文書での提言と国連加盟国の支援により、人々のこころの状態を指す「精神的ウェルビーイング」の視点が仙台防災枠組に活かされることになりました。

    災害がおきると精神的な苦しみや心理社会的なストレスを感じる人々を生み出します。こうした心理社会的側面は、健康状態、生活水準、未来への希望、防災や復興に取り組む姿勢に影響します。

    さらに、これまでの研究によると、障害者は災害における死亡率が高く、他の疾病への罹患率が高いと報告されていますが、今までの防災政策においては、精神・知的障害を含む障害者の権利について十分に議論されてきませんでした。

    専門家会議ではこの課題を指摘し、国連の専門家とともに、災害に関する精神的ウェルビーイングと障害の問題についてのデータを精査しながら、教訓と成功事例を共有することで、防災における提言をまとめました。

    より詳しい情報は、専門家会議の報告書(英語)をご覧下さい。