自治体が担うランドスケープ・シースケープ管理ーISAP2017

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  • 2017年8月1日     横浜市

    Photo: セッション開会にあたり、あいさつする武内和彦UNU-IAS上級客員教授/UNU-IAS

    Photo: セッション開会にあたり、あいさつする武内和彦UNU-IAS上級客員教授/UNU-IAS


    UNU-IASは7月26日、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)とともに、「第9回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2017)」において、テーマ別会合「持続可能性を軸にしたランドスケープ・シースケープ管理を目指して:地方自治体が担う重要な役割とは」を開催しました。

    まず、武内和彦UNU-IAS上級客員教授/IGES理事長が開会のあいさつを行い、ランドスケープ・シースケープの文化的・自然的遺産と資源を保護し、活用するための国際的な取り組み(UNU-IASが部分的に主導)「SATOYAMAイニシアティブによる持続可能なランドスケープ管理」について説明しました。その後、塚本直也UNU-IASプロジェクト・ディレクターをモデレーターに、アジアから来たスピーカーとのパネルディスカッションを行いました。まず塚本ディレクターが所見を述べ、「ランドケープ・シースケープ管理に関するいくつかのケースの中で、地方自治体が地域コミュニティーに近いことが有利に働く場合もあれば、地方自治体の独立性を高めたり強力な統率者が出現し得ることが不利になることもある」と指摘しました。

    その後、パネリストがそれぞれの活動について発表しました。

    • 高石豊氏(兵庫県阪神北県民局県民交流室環境参事)
      「北摂里山博物館(地域まるごとミュージアム)構想の推進~北摂里山の持続的な保全と地域の活性化をめざして~」
    • ジェラルド・ジェトニー(マレーシア・サバ州自然資源局シニアジオロジスト)
      「マレーシア・サバ州における生物多様性と文化多様性をつなげる取り組みについて」
    • マルサス・グスマオ(東ティモール商工環境省 生物多様性条約名古屋議定書のフォーカルポイント/東ティモール国立大学気候変動生物多様性センター副所長/講師)
      東ティモールのSEPLSとその持続可能な推進に向けた政府の取り組みについて」
    • ピア・セティ(エネルギー資源研究所(TERI)生物多様性と生態系サービスセンターフェロー/エリアコーディネーター)
      「インド・ナガランド州におけるSEPLSの持続可能な管理と生物多様性保全主流化の取り組みについて」

    行政地区は、それぞれ規模や地区で果たす役割が違い、地域レベルで活動の共通性を見つけるのは難しい半面、違いのある中でも共通性を見出し、発展させながら協働し続けていくことは非常に重要であるという点で合意し、セッションを終了しました。

    ISAPは、年1回、2日間にわたって行われるフォーラムで、国際機関や政府のほか、企業やNGOなどから第一線の専門家やステークホルダーが一同に会し、アジア太平洋の持続可能な開発について議論します。