COP28:未来の気候変動を担うリーダーの育成について発信

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  • 2023年12月11日     ドバイ

    Image: UNFCCC

    2023年12月5日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、アラブ首長国連邦、ドバイで開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(UNFCCC COP28)にて、記者会見を行いました。会見では、UNU-IAS大学院プログラム修士課程に新設されたパリ協定のための気候行動専攻について説明しました。

    会見にてUNU-IASの専門家は、今後本コースを受講しやすい体制を整え世界の各地域でパリ協定実施にあたり必要な組織的、技術的実施能力の強化への影響力をさらに高めていくことを発表しました。

    UNU-IAS山口しのぶ所長は気候行動が後退している主な原因の一つに、気候変動に関連する知見や技術力不足があると指摘しました。また、教育や研修を通した社会全体への気候変動の解決に必要な能力を育成、強化する必要性の高まりについても取り上げました。国連大学はこのようなニーズに応え、国連システムと国際的な学術機関とを橋渡しすることのできる唯一のグローバルシンクタンクです。

    山口所長は2023年9月に新設されたUNU-IASの大学院プログラム修士課程パリ協定のための気候行動専攻について紹介し、本専攻が政府や民間を超えてパリ協定の実施を最前線で主導する未来の気候変動分野のリーダーの育成を目的としていることを取り上げました。

    さらに山口所長はUNU-IASが今後パリ協定専攻独自の修了証を設け、より多くの人が受講しやすいような体制を整えることにも言及しました。また山口所長は気候行動の転換点において、能力開発、研修の機会はパリ協定の約束を果たす上での世界的な取り組みの中心になりうるとも話しました。

    UNU-IAS竹本明生プログラムヘッドは、既存の大学院プログラムに加えUNU-IASが温室効果ガス排出量の測定、報告および検証の透明性、炭素市場、気候適応と損失と損害などの課題に対応したプログラムの提供を準備していることを共有しました。また、UNU-IASが2024年の夏に向けて温室効果ガス排出量の測定、報告および検証について実習を通し学習を深めるカリキュラムを作成中であることも紹介しました。

    記者会見の様子はUNFCCCウェブサイトからご覧いただけます。