タイの若者へ、ネットゼロに向けた取り組みの促進をエンパワーメント

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  • 2023年9月5日     バンコク

    Photo: Vorrawan Rujiwan / Department of Climate Change and Environment, Government of Thailand 

    2023年8月30日~9月1日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、タイのバンコクにてワークショップ「ネットゼロ:ACEユース・アイディアソン・キャンプ」を開催しました。タイ全土から集まった若者40人の参加者は、ホールソサエティアプローチに着目し、脱炭素への解決策を検討しました。本ワークショップの目的は、若者の参加者が地域社会の気候変動対策に積極的な役割を果たし、タイにおけるネットゼロ移行への更なる促進に貢献することです。本ワークショップは、UNU-IAS、タイACEフォーカルポイントおよびタイ政府気候変動・環境省(CCE)が共催し、韓国環境公社(K-eco)が支援しました。

    参加者は、コミュニティ主導の脱炭素への取り組み、気候変動による移住と人権およびデザイン思考プロセスなどをテーマにした講義に参加しました。パネルセッションでは、アイデアの具現化に向けクラウドソーシングなど資金調達の機会に申請する際、どのように人、資金およびその他の資源を効果的に活用できるか話し合いました。

    なお、本ワークショップへの参加の事前準備として、参加者は気候変動が環境と社会経済に与える影響や再生可能エネルギーの利点と欠点など、ネットゼロのに関するオンライン学習モジュールを完了しています。

    本ワークショップの最後には、タイにおけるネットゼロを実現するための革新的な解決策が発表されました。解決策は、カーボンフットプリント削減のインセンティブや、地域コミュニティ、民間セクターおよび政府機関の協力の仕組みに焦点を当て練られたものです。参加者の発表の例には、食品廃棄物や持続不可能な観光などの課題の解決に向け、モバイルアプリなどのテクノロジーを活用し、ステークホルダーの連携を促進するプロジェクトなどが挙げられます。

    発表されたプロジェクトは、実現可能性、社会的インパクト、創造性と革新性および持続可能性を軸に評価が行われました。数あるプロジェクトの中でも、アップサイクル(使用済みの物や再生品を使用し、元の製品より付加価値の高いものに作り変えること)に焦点を当てたプラスチック廃棄物アプリプラットフォームや、二酸化炭素排出量を削減することでユーザーに報酬を与える燃料消費アプリなどが高い評価を受け、賞を受賞しました。

    選出された若者2名は、2023年12月に東京で開催されるユネスコESD-Netグローバル会議に参加する予定です。会議にて彼、彼女らは、ネットゼロに向けた事業やアイデアへのホールソサエティアプローチの活用について紹介する予定です。

    本ワークショップは、気候変動に関するパリ協定の効果的な実施とガバナンスのための国家能力を構築するK-eco Global Net-Zero Partnership (K-GNP) プロジェクトの一環として行われました。本プロジェクトは、大韓民国政府による資金提供を受け、韓国環境公団(K-Eco)によって実施されました。